【voicy文字起こし】第四十六話 「高い利益率を確保し続けるビジネスモデル」

どんな商売人や経営者でも、高い利益率を確保し続けるビジネスモデルを真剣に考えている。

模倣されるとすぐ利益出なくなるから。

優秀なビジネスモデルを生む秘訣を一言でいうと、逆説・パラドックスが組まれている。

他の競合のライバルが参入しにくい心理障壁を設けるということですね。

心理障壁の中に住むということがすごく大事。

逆説をビジネスモデルに入れてないと、競争状態が激しすぎて絶対に利益を出し続けられない。

目次

1.初めのあいさつ

2.競争優位のビジネスモデルにはなんらかの逆説が含まれている

3.シロアリの向こう側の世界に、競争は無かった

 

1.初めのあいさつ

サウザーラジオ「青雲の誓い」第46話、本日もよろしくお願いします。

このラジオはどんな内容かと言いますと、「昼まで寝ている人の話」です。

 

昔から、資本主義のルールみたいなのなのをずっと研究して、自由な生活を手に入れたいっていう「青雲の志」を打ち建てて頑張ってたんですけどね、

めでたくそういう情けない暮らしができるようになって、ラジオで「どうやったら出来るのか?」みたいなお話しをしようかな、と思っております。別に「会社を辞めたい」とかいう人に限らず、勤め人やりながら、商品を1つでも持つと金の回りが全く変わってしまって、お金の自由度がぜんぜん違うと思いますよ。

 

そう言った話もしていきたいなという風に思ってます。
参考になる方に聞いていただいたらありがたいです。

今夜もよろしくお願いします。

2.競争優位のビジネスモデルにはなんらかの逆説が含まれて いる

前回「かき氷」の話をしました。

(関連記事:第四十五話 「テクノロジーの格差を利益の源泉にする」

テクノロジーでかき氷が非常に安くなると。

冷蔵庫が無かった時代というのは、アルプスの高い山から氷切り出して大急ぎで麓のローマまで持って帰って、それでかき氷作るんで。

それにはたくさんの人手がかかるから、大昔のかき氷は大変高価なものという。

皇帝とかすごく地位の高い経済力の強い人しかかき氷なんて夏には食えなかったんです。

しかし、今や冷蔵庫というテクノロジーができて、かき氷が誰でも食べられるようになったと。

 

でも、事業環境という視点でみるとどっちも利益ってそんな変わらないですよね。

 

それは利益率というものは相対的なものだからなんです。

競争の環境によって利益率というのは変わってくる。

 

だから無競争の状態だったら、利益率ってすごく高く取れるんです。

しかし、テクノロジーが進歩して冷蔵庫が当たり前になった時代のかき氷屋さんというのは、どうしても他のかき氷屋さんやアイスクリームとかの代替品など、そういう似ている競合商品で利益率が一定に低くなってしまうんですよね。

最新テクノロジーの冷蔵庫を仕入れるだけだったら、簡単に模倣されるんで、ライバルたちもすぐ冷蔵庫を仕入れてキャッチアップを測ってきて、利益率が出なくなるんです。

では、高い利益率をキープするにはどうすればいいか。

ここって、商売人、僕みたいな、 くそみたいな、ゴミみたいな商売人であっても本当に真剣に考えてるところなんですよね。

その話をしていきたいなと思います。

 

勤め人の考え方というのは、こういうビジネスモデルを組むという時に、まったくお話ならないというか、商売人とは全然考え方が違うんですよね。

事業経営者と勤め人は、もう全く見てる場所というか考えてる事がまるで違うんです。
言ってしまったら、「人種が違う」というくらいの、物事に対する捉え方が、真逆になっているんです。
そこをちょっと重点的に話していきたいなと。

 

「価格競争が起こる」って話しましたね。
それは相対的なもので競合の技術力というか、キャッチアップによって利益率が狭まってしまう。
同じような技術水準で、冷蔵庫使ったアイスクリーム屋でも、勝ち組と負け組って絶対出てくるんですよ。

 

「どうしてそういうビジネスモデルの優劣が生まれてくるのか?」って話をします。

一言でいうと、「逆説・パラドックスをどうやってビジネスモデルに組み込むか?」 ということなんですよね。

それはすなわち、「参入障壁」というやつです。

 

「参入障壁」って言っても冷蔵庫を仕入れるのとは違います、だってみんな冷蔵庫を持ってる訳ですから。
戦争になっても元込めのライフルというのが一般化してしまったら、みんなライフル持っているんでテクノロジーでは差別化できないんです。
iPhoneだってすぐに他のメーカーに模倣されてしまって、利益率、多分苦しいと思いますよ。

 

そうじゃないですよね。
テクノロジーで先を行こうとしてもすぐに追いつかれる。

でも、勤め人で優秀な人って「新しい技術で勝てる」とそういうことばっか考えますね。
商売人的な人というのは、そうは思わない。

技術というのは当たり前にみんなキャッチアップしてくるから、他で勝負しないと高い利益率は維持できないという風に全然違う考え方をします。

要は「一見なんか変だな」って思うけれども、実は真理をついていることというのが 逆説・パラドックスなんですけれど、

事業経営ビジネスモデルを組む上では、他の競合のライバルが参入して来れないような心理的抵抗を防御壁に設けるということですね。

 

心理障壁の中に住むということがすごく大事になります。

だから、僕がちょっと好きな逆説を端的に表す言葉なんかをちょっと紹介したいなと思います。

 

一般的に言われるのは、「急がば回れ」。

「急がば回れ」というのは急いでいるんだったら遠回りしなさいという、ゴールデンウィークのときに高速道路を使っても渋滞しているから結局遅いみたいな、
それなら下道の林道みたいなところ、「“ジモッティ”が好む道とか通ると早いよ」とか、そういう意味ですよね。

一見、遠回りしろという教えというのは「それおかしい」って思われるかもしれないけれども、 遠回りする方が早く目的地に到着できるよという意味で実は真理をついてるんですよね。

ビジネスモデルにはこの考え方がとっても大事。

 

いわゆる「肉を切らせて骨を断つ」ということです。

これね、女性は苦手な人が多いですね。 肉を切らせて骨を断つ。

それから女性的な男。女々しい奴らも、出来ない人が多い。

「相手に打たせて自分はさらなるカウンターパンチを入れる」という、自分を傷つけるようなモデルって、強い意志と勇気がない人ってのはできないんですよ。

先行投資で赤字掘るのに耐えられなくて、つい時給とか月給が恋しくなる。勤め人根性ってやつです。

3.シロアリの向こう側の世界に、競争は無かった

勤め人と経営者、この両者の性格の違いを端的に表す格言があります。

格言というのもやはり、逆説・哲学を含んでいるものです。

その格言というのは、「議論に負けて商売で勝つ」ということ。

これが、商売人としては絶対正義なんですよ。

なんかこう話しながら、言い合いになって、その議論というのものに勝つ意味というのは無いということですよね。

 

ただ勤め人とか偏差値優秀とか、世間で素晴らしいといわれている秀才ってのは、議論に勝とうとするんですよね。

「商売で勝つ」ってことは頭になくて、ただ”目の前の勝ち”ばかりを追いかけて「俺が強い」とやってる。

でも商売人とか経営者の人というのは、もう戦わないというか、「俺が強い」とか言うことにぜんぜん価値を置いていない。

だから「議論ではもう負けて、商売で勝てばいいんだ」という風に、ぼんやりと全体を見てるんですよね。

「理外の理」ってやつです。

ただ、勤め人の人というのは全てにおいて直線的な理解をしてる。

全体を見ず、視野が狭い。

プライドが大事だから議論に負ける事はできない。

「肉を切らせる」って言うことができない。

それでお金を失う。議論に勝って金を失うんです。

それは言っちゃったら、勇気がないからです。

僕の例えで言うとビジネスモデルですね。

不動産の賃貸経営本当に小さい規模ですけれどやってて、その「ボロ物件」をやってるんですけれども。

「ボロ物件」というのは、古い家の一戸建ての物件を格安って言うか、捨て値みたいな値段で仕入れてきて、自分でリフォームして賃貸に出して、それで収益を得るという非常に単純なモデルです。

 

その中にはボロ物件愛好家たちの間の合言葉というのがあって、

「シロアリはお友達」っていう言葉があるんですよ。

「シロアリはお友達、価格交渉を助けてくれる素敵なパートナー」というんですよ。

一般の人とか、”勤め人的な人”にとっては、シロアリは敵なんですよ。

家をぐにゃぐにゃさせる、ぶかぶかさせる、家を食ってしまう敵でしかない。

「シロアリが入ってる家というのは悪だ」という風に考えて、そこからもう一歩先を考えない。

だからそれって本当に目の前のことしか見えてない、ビジネスモデルを全体で考えてない人なんですよね。

そういうふうに、子供の頃からずっと躾けられてるんです。

目の前のことしか見えない、全体を考えない、という風に躾けられちゃってる。というか”洗脳”ですね。

洗脳が入ってるから、そうやって「シロアリは敵だ」としか思えないんですけれど、

事業経営全体ってことで考えると、一周回って、シロアリは友達っすね。

シロアリといっしょに指値を思いっきり入れるんですよ。

 

要は 500万円で売りに出てる家があります。

「2階がズブズブでシロアリが食ってる」っていうボロ家があるとします。

自分で床めくってね、食われてるところの木(モク)を入れ替えちゃえばそれで20年ぐらいもつから、何の問題もないということなんです。

 

でも、価格交渉の時にそんなこと言う訳は無いですよね。

蟻が食ってて2階使えないし、「地震が起きた時に怖いから」とかいう風に、シロアリを価格交渉の材料にしちゃうんですよ。

シロアリなんてホームセンターで薬買ってきて、ズブって注射して、それから蟻が食ってるところをちゃんと防水して、木を組み直せば全然復活します。

経営全体で見るとありがたいもんですよ。

 

でも、普通の人にとってそれって参入障壁なんですよ。 

肉を切らせることができないから、シロアリがいるという参入障壁を越えて来られないんですよ。

参入障壁の向こう側、シロアリの側というのは無競争状態ですね。

非常に利益が上げやすいです。

 

秀逸なビジネスモデルを組んでいる人というのは、このパラドックスというのを必ず入れてますね。

勤め人には全然それが見えないんですよ。

だからそういう考え方が出来る商売人というのは小さいビジネスでも勝てちゃう。

真似されないから競争にならない。

 

逆説をビジネスモデルに入れてないと、事業経営ってのは競争状態が激しすぎて絶対に利益出ません。

「利益はどこまで下がるか?」というと、労働力の再生産の経費というところまで下がります。

利益率が、労働力の回復できる限界以下になっちゃったら飢え死にしちゃいますからね。

それって独立で事業やってる意味ないじゃないですか、ギリギリで下請けみたいな仕事してて。

でも、競争力のあるビジネスモデル組めないと、そうなるんですよ。

要は昼まではぶらぶら寝てる僕は、「シロアリをお友達にしてる」っていう事ですね。

 

「シロアリの向こう側」という言葉を残して今日の放送は終わりにしたいと思います。

また明日。再见(さようなら)

 

参考:Voicy音声版はこちら:「高い利益率を確保し続けるビジネスモデル」

 

【参考書籍】

楠木建先生のストーリーとしての競争戦略を紹介せねばなるまい。
白状するとこの放送回のネタ元はこの本である。そこに自分独自の具体例を入れただけ、換骨奪胎ってやつ。
つまり、高い利益を上げ続けるビジネスモデルは、無競争状態を作り出しているよ、と。

凡庸なビジネスモデルはすぐに模倣される。そして激しい競争に晒される。利益率は低下してゆく。
じゃあ凡庸とは何かというと、自分の商売を外から見てる人間から
「あいつかなり儲かってるらしい、俺がやっても儲かりそうだからやってみよう」
と思わせるビジネスモデルだ。

多くのライバルを生み出す。
そして新規参入のライバルたちとガチンコで戦いライバルたちに苦しめられる

僕がこの本を読んで考える良いビジネスモデルは、2つかな。
・「あいつあんな大変な商売しててスゲエな、俺には真似できんわ」と思わせて、そもそも参入を誘発させない。でも内実は上手いやり方があって楽チン。
・「楽勝で儲かりそう」と言うアホの参入を誘発させ、しかしそういう人には見えない『逆説』を仕込んでおき、アホが参入して来た所で日干しにするか、だ。

 

世界のウメハラ先生の処女作。
格ゲーの神だ。

勝ち続ける意思力、と言う本なんだけど、ぜんぜん古くならない。
正しく勝つための努力とは何か?を突き詰めた本。すげえ本だよ。

んで、その正しく勝つための努力と言うのが『逆説』だってところがミソね。
日本の格ゲー界の強さは、トップ層、若手層、それぞれにウメさんの薫陶が入ってるところ。
おのおの平気で逆説を乗り越えて、正しく勝つための努力をするところ。

社内で政治闘争に明け暮れる猿並みの勤め人には、世界で戦う努力なんか、まったく理解出来ないだろうと思うよ。